鎖国日記

冷えきった場所から逃げ出したい93オタク

続 ナンバーガールの話

前編はこちら。https://mon92292.hatenablog.com/entry/2019/09/29/004342 

 

実際、「鉄風、鋭くなって」のイントロが流れるまでの周囲は皆1人で来た者が多かったこともあり何処と無くそわそわしていた。

しかし、発狂した飼い猫を川に捨てに行った瞬間、念仏唱えてサヨウナラした瞬間、4人の衝動とホールの衝動、欲求が爆発した。

 

インターネットに逃げ込む若者?の歌・「タッチ」、「裸足の季節」から続いた妄想世界の少女の曲達。「透明少女」でメガネを吹き飛ばしたのにキャッチしてくれた後ろのお兄さん、ありがとう。

そして今日という日に「NUM-AMI-DABUTZ」。そういえば、中止になったライジングサンのTシャツを着ていた2人組はこの辺で成仏してしまったのだろうか。

後半、個人的に一番好きな、漫画の歌「MANGA SICK」。本当に聴けると思っていなかったので嬉しい。

「TATOOあり」、初めて見たナンバーガールのギターとしての田渕ひさ子氏が凄い。他に言葉がない。

叫ぶ者、頭を振る者、手をひたすら突き上げる者、飛ぶ者、歪みに合わせて身体を歪ませる者、そんな年齢も背景もナンバーガールを好きな時間もバラバラな会場がひとつになったのが「OMOIDE IN MY HEAD」だった。

福岡市博多区から〜(略)、のお決まりの挨拶とドラムの音から始まる、何故か17年前の最後の曲と思われているこの曲。ライブ版が転がってるので聴いて頂きたいのだが、イントロでエネルギーが解放される瞬間がある。その瞬間こそ、ナンバーガール4人の、フロアの、17年間表に出ることのなかった衝動、魂が完全に解放された瞬間だったように思う。

 

ラストライブ1曲目だった「I don’t know」で本編は終わった。曲が終わるたびに深々とお辞儀をする向井秀徳氏が脳裏に焼き付いている。自分の思っていた向井秀徳氏の姿と違ったので。

 

あっという間にアンコール。3曲が流れ、最後に再び、「OMOIDE IN MY HEAD」。今日のこの素晴らしい時間も無常にも思い出に。

今度こそ終了。乾杯、とだけ言って去った向井氏。また名古屋にも来るらしい。喫煙所でタバコを吸う者、ドリンク券を慌てて交換する者、ライブハウス前の路上で酒を飲むもの、そして件の女子高生。皆がナンバーガールの存在を目の前で確認することができた今日という1日に満たされつつ、次なる欲求が生み出されていただろう。もっと、彼らのエネルギーに触れていたいー。

そして自分も、まだまだ彼らの、彼らが与えてきた衝動とエネルギー繰り返し繰り返し追い求めたいと思える1日だった。

 

一滴も飲まなかったので、遅くなったけど乾杯。

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ナンバーガールの話

あの夜から一晩が過ぎ、硬くて寝心地の悪い職場の夜勤用ベッドで忘れる前にとこのブログを書いている。

 

話は7ヶ月前、2019年2月15日の金曜日に遡る。

NUMBER GIRL 17年ぶり再結成」の報せが飛び込んだのはー

夕方、退勤しいつも通りTwitterを開くと、1年で3回程度しか見ないナンバーガールの文字列が無限に目に飛び込んできた。

有名人や女性声優や、アニメのキャラクターが透明少女のカバーでもしたのだろうと軽いノリでタイムラインを追いかけ、それがハズレであることを知る。

 

とはいえ100%サプライズというわけではなかった。

2018年、ELLEGARDENが活動を再開したのはまだ記憶に新しい頃であった。

便所の落書きレベルの願望でナンバーガール、生で観てえなあ…程度のものではあったが。

あくまで“活動休止“だったエルレと違い、ナンバーガールは“解散“していたからだった。(幸運にもエルレを生で聴く機会が与えられたので、エルレの話はまた)

 

そんなこんなで4月の桜が散る頃、何故か名古屋公演のチケットが手に入り、9月27日の金曜日を待つ生活が始まった。

当選メールはどういうわけかこの世から消えてしまった。無常。

 

本日の当直の代休という名目で当日の休暇を勝ち取ったものの、彼らが出演予定だったライジングサン1日目は台風のため中止、ライジングサンを除く名古屋までの5回のライブの感想が全く目に入らなかったこともあり本当にナンバーガールを観ることができるのか?の疑問は最後まであった。4人が現れ「鉄風、鋭くなって」のイントロが流れるまではー

 

当たり前のことだけど今年26歳になる自分は衝動のまま世紀を跨いだ頃の彼らは知らない。

2010年、17歳になるかならない頃、多くの好きで聴いてた音楽が変わる少し前、4つ打ちダンスロックもやたらボーカルの顔がいいバンドも猛威を振るう前の話。細かくは忘れたけど彼らのフォロワーの作った音楽に触れていたので少し辿れば自然に辿り着く物だった。

 

当日、発券したチケットに印刷されていた番号は951。クラブダイアモンドホールにこんな大きな番号が入れることを初めて知った。

意味不明なTシャツを購入し、待機列に並ぼうとして連れていかれたのが隣の雑居ビルの照明も付いていない真っ暗な3階の踊り場。自分の後ろには15人程度しか確認できない。この階段で足を踏み外せばナンバーガールには出会えない、緊張。

いつの間にか列は進み、入場。開演までの30分程度があっという間に過ぎてしまった。

周りを見渡せば当時の衝動を忘れられないまま歳をとったであろう40代と思われるおっさん、バンドが好き同士で夫婦になったのか30代の男女、大学生、自分と同じキモオタメガネ、そしてセーラー服の女子高生。彼女は向井が妄想でこの日のために生み出した存在なのでは。

 

そして鋭い音が鳴り、ナンバーガールは実在することが証明される時間が訪れるー。

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Tシャツ、オタクか?

 

続く↓

https://mon92292.hatenablog.com/entry/2019/09/29/012836